日産「550億円上方修正」ようやく見えた“一筋の光”( *・ω・)ノ

日産自動車は11月12日、2021年3月期連結決算の業績予想を上方修正した。最終(当期)損益はこれまで6700億円の赤字を見込んでいたが、赤字額が550億円減少し、6150億円の赤字になるという。この上方修正の意味を探った。【毎日新聞経済プレミア、今沢真】

 18年11月にカルロス・ゴーン前会長が東京地検に逮捕されてから、日産はブランドと業績の両面で急激な下降線をたどってきた。今回の上方修正は久しぶりの「下げ止まり」であり、好意的に受けとめれば「上向きへの兆し」になる。とはいえ赤字見込み額は6000億円台と巨額には違いなく、日産の厳しい状況は変わらない。

 ◇販売台数が持ち直し

 業績上方修正の要因の一つは、新型コロナウイルスの影響が続くなかで車の販売が持ち直してきたことだ。日産の世界販売台数は4~6月に64万台と前年同期比47%減まで落ち込んでいたが、7~9月には105万台と同16%減まで持ち直した。とくに中国では39万台を販売し、前年同期を4%上回った。

 もう一つの要因は、ゴーン前会長の時代に販売台数を追い求めて無理な値引きを続け、赤字に陥っていた米国で、販売正常化の兆しが見えてきたことだ。販売奨励金を抑制するなかで1台当たりの収益が少しずつ上向き、在庫も減ってきた。

 オンライン会見を行った内田誠社長は「ここに来て、我々が取り組んできた『販売の質の向上』が実ってきて、数値として表れてきた。これを継続していくことが非常に重要だ」と述べた。

 内田氏に次ぐ日産のナンバー2で、米国事業の責任者であるアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)も「米国で行ってきた商品ラインの刷新や新技術の投入が第一の成功要因だった」と指摘。さらに、販売代理店の財務の改善、生産ラインの再配分なども実を結んだと強調した。

 ◇「3年連続赤字」なんとしても阻止

 日産はゴーン前会長の逮捕後に経営が混乱し、20年3月期に6712億円の最終赤字に転落した。販売台数が減少し、生産設備が過剰となり、工場閉鎖などリストラに取り組んだ。そこにコロナ問題の直撃を受けてダブルパンチとなり、21年3月期も前述の通り、2年連続の巨額赤字を見込んでいる。

 仮に3年連続の赤字決算になると、経営の屋台骨が根底から揺らぐことになる。このため、日産は22年3月期になんとしても黒字に転換する絵を描く。その原動力になるのが米国、日本などでの新車投入だ。

 内田社長は「この下期から新車を多く投入していき、攻勢に入る。固定費削減を徹底し、1台当たりの収益を上げていき、22年3月期の黒字化に必ずつなげていく」と言葉を強めた。

 ただ、コロナ感染は世界で再び拡大しており、販売の先行きは予断を許さない。「内田―グプタ体制」は発足してまだ1年足らずで、社内で万全の求心力があるとは言えない。22年3月期の黒字転換のメドが立ったとはまだいえず、日産の苦しい状況は続きそうだ。