💥地域仮想通貚は来るか❕❔

2017幎を代衚するパワヌワヌドずいえば、幎初から察ドルレヌトが10倍超にもなった「ビットコむン」をはじめずする「仮想通貚」だろう。

🗌ビットコむンは2018幎に入っお倧きく倀を厩しおいるが、それでも2017幎初比ではおよそ10倍の氎準は維持しおいる。こうした䞭、2018幎は地域掻性化策ずしお話題だったロヌカルマネヌ👉「地域通貚」に぀いお、仮想通貚版の「地域仮想通貚」が続々ず発行されそうだ。果たしおそれは🐣「地方創生」🐣に぀ながるのか。珟状をたずめた。

🏮2018幎は「地域仮想通貚」ブヌムが来る

🗌 2017幎は「仮想通貚元幎」だった。䞖界の仮想通貚の時䟡総額は、前幎2016幎1幎間では玄200玄2倍増えおいたが、2017幎は玄4000玄40倍ず、たさに砎竹の勢いの急拡倧を遂げた。幎末には日本円換算で玄70兆円に達しおいるcoinmarketcap調べ。

🌵その4割を超える玄30兆円を「ビットコむン」だけで占め、仮想通貚の䞖界は「ビットコむン1匷」ずも蚀える状況だったが、2017幎末から「リップル」や「むヌサリアム」など、ビットコむン以倖の「アルトコむン」ず呌ばれる仮想通貚の取匕も埐々に掻発になり、その時䟡総額を䌞ばしおきおいる。

☝2017幎の党䞖界の仮想通貚取匕高は日本円換算で玄5兆円に達するが、👉「コむンチェック」👉「ビットフラむダヌ」👉「ザむフ」のような日本囜内の仮想通貚取匕所のシェアはその玄4玄2,000億円にすぎない。日本円が取匕額の過半を占めたものの、その意味で日本は垂堎ずしおの成長䜙力があるず蚀えそうだ。

🐢💚ブヌムが去っお倱速した「地域通貚」

🐢💚䞀方、仮想通貚ず字こそ䌌おいるが、垂町村単䜍など狭い地域で独自に発行される「地域通貚」は、すでに忘れ去られたような蚀葉になっおしたった。

🐀💚か぀おの「地域通貚ブヌム」のきっかけは19幎前の「地域振興刞」だった。金融危機翌幎の1999幎4月、小枕恵䞉内閣が景気浮揚策ずしお6,194億円を予算化し、党囜の垂区町村に党額囜費補助で発行させた商品刞で、9月末たで半幎間有効だった。15歳以䞋の子どもがいる䞖垯䞻や65歳以䞊の高霢者などに、1人あたり2䞇円分1,000円刞20枚が配垃された。

🐳💚この政策には賛吊䞡論あったが、埌で地方自治䜓や商工団䜓などで、そのアむデアを借甚しお地域独自の「プレミアム商品刞」や「地域通貚」を発行しようずいう動きが出おきた。通貚ず蚀っおも法埋的には「地域限定の商品刞」で、地元の金融機関や商店などの協力を埗お発行され、5、10、20などプレミア分を぀けお消費を喚起し、地域の掻性化、地方創生を図ろうずするものである。

🐎💚ここぷろがWebサむトで公衚する「地域通貚党リスト」によるず、囜内の地域通貚は党郚で677件2017幎4月19日珟圚。関東地方の132件、近畿地方の111件が倚いが、人口比では䞭・四囜の95件、北陞・甲信越の78件、北海道の49件が健闘しおいる。

🐎💚統蚈を取り始めた2003幎2月22日は260件で、それが2003幎末は382件、2004幎末は508件ず䌞びたが、「地域通貚ブヌム」は2005幎頃で䞋火になる。2006幎末の614件以埌はずっず600台のたた。廃止される地域通貚もあるので、2010幎末から2016幎末たでの6幎間で13件しか増えおいない。

🐔💚地域通貚ブヌムず同じ頃、「地方創生」を目的に党囜で「ふるさず玍皎」や「ゆるキャラ」や「B玚グルメ」やロケ誘臎の「フィルムコミッション」などが次々ず名乗りをあげお、その人気は今も衰えおいないが、地域通貚はすでに忘れられたような感がある。

🐗💚「狭い地域でしか䜿えない」「䜿えない店がある」「亀通機関や医療機関で䜿えない」「おもちゃのお金のようで〃ニセ札〃が出おきそうだ」「受け取っおも埌で円に亀換するのが面倒だ」など、地域䜏民の間での評刀は決しおよいずは蚀えないものもある。たた、発行者偎も、停造されにくくする印刷や安党な保管方法、発行・管理に予想倖のコストがかかっおいたずいう。

🐑💚ブヌムが倱速しお久しい地域通貚だが、いた、仮想通貚の急成長に刺激され埩掻しそうな気配がある。発行・管理のコストが玙の地域通貚や電子マネヌなどより安く枈む「ブロックチェヌン」を利甚した地域限定の「地域仮想通貚」が2018幎に、続々ず旗揚げしそうなのだ。

🐩 💚金融機関、倧孊、䌁業、自治䜓が発行を蚈画

🐧 💚2017幎5月、岐阜県の飛隚信甚組合が「さるががコむン」の実蚌実隓を始め、12月4日に䞀般垂民向けに正匏運甚を開始した。高山垂、飛隚垂、癜川村限定の地域仮想通貚で、同組合ずスマホ向けアプリ開発のアむリッゞが共同開発し、仮想通貚の基本技術「ブロックチェヌン」を利甚。小売店や飲食店で䜿え、スマホアプリで決枈できる。

🐫 💚飛隚信甚組合の窓口や専甚アプリで、あらかじめ「1円1コむン」のレヌトでさるががコむンをチャヌゞするず、店舗のレゞにあるQRコヌドを読み取っお専甚アプリで金額を入力し、確定ボタンを抌せば支払いができる。それは「ビットコむンが䜿える店」の支払い方法ずほが同じで、シンプル。さるががコむンは飛隚地方を蚪れる倖囜人芳光客の利甚も芋蟌んでおり、それは埓来の地域通貚にはなかった甚途ず蚀えるだろう。

🚲💚地域仮想通貚の実蚌実隓は島根県、鳥取県基盀の山陰合同銀行も行っおいる。それずは別に地銀各行はみずほフィナンシャルグルヌプなどず組んで仮想通貚「Jコむン」を蚈画䞭だ。地方の金融機関にずっおは法人顧客を開拓できるずいう狙いもある。

🐢💚 犏島県䌚接若束垂にある䌚接倧孊は、コンピュヌタ理工孊郚1孊郚を蚭眮する公立の単科倧孊。2017幎3月に孊内仮想通貚「癜虎コむン」を立ち䞊げ、䌚接地方の地域仮想通貚に発展させようずむベント䌚堎などで実蚌実隓を行っおいる。䌚接若束垂ず協力しお、雪おろしなどのボランティア参加の芋返りに支絊する考えもある。この癜虎コむンもブロックチェヌンを利甚しおおり、スマホに専甚アプリをむンストヌルしお店のQRコヌドで支払いを行うずいうタむプである。

🐌💚関西私鉄の近鉄グルヌプホヌルディングスは䞉菱総合研究所ず組んで2017幎9月、倧阪垂の高さ日本䞀のビル「あべのハルカス」内の近鉄癟貚店など玄200店舗、展望台、矎術通で䜿える地域仮想通貚「近鉄ハルカスコむン」の実蚌実隓を開始した。

🐢💚これもブロックチェヌンを利甚しおいるが、実隓では玄5000人限定で5,000円を支払えば、実に2倍の䟡倀ずなる1䞇コむン1コむン1円が受け取れたので話題になった。将来は利甚゚リアを近鉄沿線にも拡倧したいずいう。

☁沖瞄県はブロックチェヌンを利甚する地域仮想通貚「琉球コむン」の発行を蚈画しおいる。琉球王囜時代の「琉球通宝」以来の独自通貚の埩掻を目指すので゚リアが沖瞄県党域ず広く、円、米ドルず亀換できる仮想通貚取匕所を開蚭し、琉球コむンでしか買えない商品の䌁画のような独自の販促掻動も蚈画するなど、「沖瞄版ビットコむン」を目指した本栌掟。それだけの芏暡なら「ふるさず玍皎」の芋返りずしおも十分に魅力的だろう。

🐍 💚琉球コむンが狙うのは県倖、海倖から沖瞄県ぞの投資の呌び蟌みだが、囜内で仮想通貚取匕所を運営するビットバンクや、小売業の芆面調査を行っおいるメディアフラッグがすでに協力、支揎を衚明しおいる。

🐔💚地方自治䜓ではその他、茚城県かすみがうら垂や岡山県西粟倉村が地域仮想通貚の発行準備を進めおいる。ブロックチェヌンを利甚すれば、仮想通貚よりも䜎コストで発行でき、仮想通貚ず同じように利甚できる「トヌクン」の発行も行える。

⏩仮想通貚ではなく、かずいっお埓来の玙の商品刞タむプでもなく、「おサむフケヌタむ」のようなスタむルで地域通貚を発行する地域もある。いわば「地域電子マネヌ」の代衚䟋が長厎県の壱岐垂や五島垂で䜿われおいる「したずく通貚」だろう。もずもず2013幎に県、垂が予算化しお玙で始たったが、2016幎にスマホを䜿った電子マネヌタむプの「したずくりォレット」の運甚がスタヌトした。

🐙💚あらかじめ円からしたずく通貚に䞡替しおりォレットにチャヌゞし、壱岐島や五島列島に䞊陞するず、島内の商店、飲食店、宿泊斜蚭からタクシヌたで、したずく通貚で支払いが可胜。支払いはスマホのしたずくりォレットの画面に電子スタンプで「印」を抌すこずで完了し、残高から匕き萜ずされる。

したずく通貚は5,000円で1,000円20のプレミアが぀いお6,000円分がチャヌゞされるが、芳光客など島倖居䜏者が察象で島民は利甚できない。消費行動のデヌタを埗るなど芳光振興に的を絞った地域通貚だが、日本経枈新聞によるず導入埌に来島者は21増え、芳光消費額は20増えたずいう。

地域仮想通貚の運営コストを誰が負担する

👉「地域仮想通貚で地元経枈掻性化を目指す」

🐔💚か぀おの玙の地域通貚は成功䟋を残せなかったが、今やそのニュヌスを聞かぬ日はない「仮想通貚」の力を借りお、「今床こそ地域おこしの結果を残したい」ず願っおいる関係者は、少なくないだろう。

独立行政法人経枈産業研究所の藀和圊・䞊垭研究員は2017幎1月のレポヌト「少子高霢化が進む日本における地域通貚の有甚性」で「仮想通貚ビットコむンの技術を応甚するこずにより、地域通貚の発行コストが䜎枛され、安党性が向䞊し、法埋・皎制䞊の問題点も解決される状況になった」ず述べおいる。

🗌しかし、仮想通貚の珟状は「保有しお倀䞊がり益を狙う投資商品」であっおも、「日垞生掻で䜿う通貚」ずしおは未成熟な段階。最もネヌムバリュヌがあるビットコむンも、ビックカメラなどが支払い手段ずしお採甚し話題になっおも、「䜿える店」はただ数えられるほどしかない。

QRコヌドを印刷しお貌れば専甚端末は䞍芁で店偎の導入コストは安く枈むが、店偎はレヌトが乱高䞋するビットコむンに察し「気を぀けないず損をするのではないか」ず危惧を抱いおいるからだ。

たしおや、ビットコむンよりずっずマむナヌな存圚の地域仮想通貚ずもなるず、「コむンチェック」「ビットフラむダヌ」「ザむフ」のような倧手の仮想通貚取匕所での取り扱いはたず期埅薄。発行者自ら、い぀でも円ず亀換できる専甚の「取匕所」ず、財垃のように仮想通貚を貯めお支払いや送金が行える専甚の「りォレット」のアプリを運営する必芁がある。それは地域にIT関連職皮の雇甚を生み出すかもしれないが、コストがかかる。

さらに、地域の商店などに䞁寧に説明をしお理解を求め、「䜿える店」をどんどん増やす努力もしなければならない。玙の地域通貚ず違っお目に芋えない、觊れないものだけに、普及させるには時間もかかるだろう。

そしお、䜕よりも地域仮想通貚の前に立ちはだかる壁は、ビットコむンなど仮想通貚は珟状では投資぀たりカネ儲けの察象ではあっおも、日垞の買物に利甚する通貚ずしお、ほずんど意識されおいないずいう問題だ。

おそらく地域仮想通貚構想のスタンダヌドは、玙の地域通貚がそうであったように、「1円1単䜍」の「固定盞堎制」がずられ、亀換時に520皋床のプレミア分が付䞎されるスタむルだず思われる。

その皋床の“利回り”では投資の察象にはなりにくいが、おそらく発行者もカネ儲けの察象になるのは望んでいないだろう。もし察円レヌトが頻繁に動く「倉動盞堎制」を採甚したら「レヌトが悪化しお損をさせられた」「倀䞊がり埅ちで党然䜿われない」「子どもの教育に悪い」ずいったクレヌムが぀くこずが予想される。たた、地域限定で発行量のボリュヌムが小さければ、倧量保有しおいる誰かに「盞堎操瞊」をされるリスクもある。

コストに぀いお蚀えば、固定盞堎制で投資察象にならなければ、専甚の取匕所やりォレットを自前で甚意しおもナヌザヌから利甚手数料を取りにくく、開発コストは持ち出しになる。「䜿える店」を増やすための“営業掻動”でも、決枈甚のハヌドや゜フトを提䟛したり、䜕らかのむンセンティブを぀けるなどの販促費甚がかかりそうだ。

仮想通貚を投資の手段、カネ儲けの察象だずみるナヌザヌなら、手数料を請求されおも「それ以䞊に儲ければいい」ず考える。だからこそいた、ビットコむンはこれだけ隆盛をきわめおいるのだ。

䞀方、仮想通貚に珟金代わりの支払い手段ずしおの可胜性を感じおいるナヌザヌは、手数料を請求したら䜿っおくれなくなる。珟に、珟金代わりに䜿われおいるクレゞットカヌドも電子マネヌも、買物に利甚した時の手数料はナヌザヌではなく店偎に請求しおいる。

それにならっお地域仮想通貚の運営コストも、たずえば、さるががコむンは「手数料1皋床」を加盟店に負担させおいる。QRコヌド1枚あればいい仮想通貚は専甚端末を必芁ずしないが、それでも「䜿える店」はなかなか増えず、利䟿性向䞊には時間がかかるだろう。

たた、せいぜい数䞇人芏暡の小さなコミュニティでは、SNSのように倧䌁業スポンサヌの広告料で運営コストを回収するビゞネスモデルも成り立ちにくい。もし地方自治䜓が皎金を「逐次投入」したら議䌚や䜏民の反発は必至。ブロックチェヌンを利甚する仮想通貚は、導入コストは高性胜サヌバヌで構築するシステムの1割皋床ですむずいわれるが、それでも「地域仮想通貚の運営コストを誰が負担するか」は、けっこう難題になりそうだ。

地域仮想通貚は時代の流れに逆行しおいるのか

円や米ドルのような法定通貚でも仮想通貚でも、「通貚」は発行量が倚いほど、流通量が倚いほど発行に䌎うコストが䞋がり、安定し、信甚床も利䟿性も増す。

だからこそ、米ドルは囜際決枈通貚ずしお党䞖界で䜿われ、英囜以倖のペヌロッパの倚くの囜々は䞇難を排しお通貚をナヌロに統合した。ナヌロ䞍参加のスりェヌデンがいた「キャッシュレス化」を匷く掚進しおいるのは、マむナヌ通貚の管理コストを抑えお、ナヌロではないデメリットを最小化したいからである。

ロヌカル化の方向に向かっおいる地域仮想通貚は残念ながら、そうした流れには完党に逆行しおいる。

その意味でも地域仮想通貚はか぀おの玙の地域通貚以䞊に、導入にあたっおはそれ盞応の芚悟が必芁だろう。だが、長い目で芋れば、仮想通貚の運甚・管理を通じお倧郜垂圏からのIT関連技術者の「Iタヌン」の呌び蟌みに成功したり、その産業集積が新たな䌁業進出の呌び氎になったり、ベンチャヌが立ち䞊がったりしお雇甚の堎が広がれば、それによる経枈効果は地域仮想通貚のコストを補っお䜙りあり、「お぀り」がくるかもしれない。これからも地域仮想通貚には目が離せない状況が続きそうだ。